明人・・・・・・世界に祝福され生まれた選ばれし子・・・・・
愛しい子・・・・・・。
私は君を一番に愛し・・・・・そして・・・・・
君を一番・・・・・憎む!!
「わぁっ!!」
黒髪のぼさぼさ頭の青年が息を荒立てて布団から起き上がる。
「また、この夢か・・・・・俺、呪われてるのかなぁ・・・・・。」
青年がため息をつく。その後、視線を時計に向ける。
「もうこんな時間か・・・・朝食をたべて、早く店のほうに行かなくちゃ・・・・・」
青年は着替えを済ましてリビングのほうへと足を運ぶ。
この青年の名前は大空明人。そこ等によく居そうなごく普通の青年だ。
明人は朝食を食べる前に家族一人一人が個別に映っている写真のある方へ向かい、写真に話しかける
「おはよう。父さん、母さん。」
明人の両親は明人が幼い時に「事故」でこの世を去っている。
この「事故」はあまりにもおかしな点がいくつも存在していたため、表に公表されてはいない。
「さてと、朝食を食べようか。」
明人はテーブルの方へ向かい、食パンを取り出す。
その食パンを焼いてバターを塗り、それを食べる。
明人はパンを食べ終わるともう一度写真のほうへ向かい、話しかける。
「父さん、母さん。行ってきます。」
明人はそれだけ言うと、アルバイト先へと向かった。
「今日も頼むぞ、明人。」
「はい、よろしくお願いします。幸成さん。」
明人は普段、幸成さんと呼ばれた人が経営している店で働いている。
店の名前は「飯屋氷室」
小さな店だが、それなりに繁盛している。
「チャーハンセット一つ。」
「あいよ」
客から注文を受けた幸成は、他の客から注文された料理を作りながら明人に話しかける。
「明人、俺は今手が離せねぇからチャーハンセットのほう、頼んだぞ。」
「はい。」
明人は返事をすると、早速冷蔵庫のほうへ向かう。
「えっと・・・材料は・・・・・・」
といって冷蔵庫を開ける。はずだったが、目の前に冷蔵庫は無く、その代わりに大きな石があった。
明人が周りをみまわすと、そこは調理場ではなく、森だった。