私、ラピス・ラズリ13歳!。只今、錬金術士目指して勉強中で〜す〜。

本当はアキトの花嫁修行も兼任している事は内緒。私が目指している錬金術士て言うのは、

ここシグザール王国の王都、ザールブルグに伝わる魔術の一種なの

え?魔術って何?そんなファンシー世界が地球にあるわけが無いって?

残念〜。ここは地球じゃないの〜・・・私達の知らない「異・世・界」

なんでこんな異世界に私が居るのかって?

私とアキトの愛の奇跡に決まっているでしょ!!・・・と言うのは冗談よ♪

ついでに言えば、アキトも一緒にこちらの世界に居るの。

そして二人は同棲中〜。これはもう新婚夫婦って感じかな。

でも、私とアキトの仲を妬む人って多いのよね。特に女の人が(怒)

だって、アキトって顔が良いし、優しくて世話好きだから、小さい子や年頃の女の子にとても人気があるの。

だから、直接的、間接的にアキトを誘惑してくる。不埒物も現れる始末!

私の旦那さん(予定)に色目を使わないで!!貴方達はこの街の凡夫で充分よ!身の程を弁えなさい!

(アキトを誘惑する輩は、必殺仕事人に依頼して、闇に葬りたい気分よ、まったく!)

オマケに肝心なアキトは鈍感で、全然私の気持ちに気付いてくれないの〜(涙)

アキトのバカー−!、・・・早く大人の女になって、アキトと既成事実を作りたい!



えっ話が逸れているって?どうして私達がこの世界に居るか、いい加減説明しろ?

もう、仕方が無いわね〜。特別に教えてあげるわ。私とアキトの愛の軌跡を!

まず初めは、私とアキトの出会い編から話さないとね。たぶん20分は掛かるけどいい?

それじゃあ話すわね、まず最初の出会いは、悪の秘密組織(火星の後継者)の研究所から

アキトが私を救い出してくれた事が、私とアキトの初めての出会いよ。

怯えている私に、そっと手を差し伸べて・・・っもう何よ!これから良い所なのに!!

何々、昔話はいいから、さっさとこの世界に来た経緯を話せ?!

せっかちな人は嫌い。レディーファーストって言葉を知らないの?

・・・え?レディーファーストの使い方が間違えている?・・・人の揚げ足取る人はもっと嫌い!

でもいい加減話を進めないと、私のスケジュールの関係もあるし。

いいわ、私達がこの世界に来た経緯を、要点だけ詰めて話してあげる。

あれは私とアキトの愛の力で、火星の後継者のクーデターを阻止して

(事実は連合宇宙軍所属のナデシコC艦長ルリ少佐の功績)

アキトの元婚約者(婚姻届未提出)兼、元仕事仲間のミスマルユリカを救出した後。

私とアキトは、ネルガルの秘密月ドックへと戻って来たの。

そして数日後、火星の後継者のラボから回収した資料を元に。

アキトの五感の治療が行なわれ。アキトは無事に五感と寿命が治す事が出来たの♪

これで後は、私とアキトが結婚してハッピーエンド!・・・になるはずだったのに!!!

運命の神様は私達に過酷な試練を与えてしまったの。



五感が治ったアキトはリハビリついでに、私と一緒に街へデート(買物)しに行ったの♪

私の服装は何時も着ているお気に入り、アキトの服装はネルガルSSに支給される黒い上下のスーツ姿

え?黒アキト専用、戦闘服.バイザー.マントの三点セットはどうしたかって?

そんな物今更必要無いでしょ。

バイザーと戦闘服は、アキトの五感を補助する為に仕方が無く着けていた物だし。

武器弾薬を仕込んであるマントも、私とデート中の今必要な物ではないし。

・・・もしかして、アキトが趣味でコスプレしていると、本気で思っていたの?

・・・メガフラムとメガクラフト、どっちを喰らいたい?それとも両方喰らう?

(ラピス、爆弾はダメだって〜)

むっ、アキトのお願いだから、今回の事は大目に見てあげる。

でも、またアキトを侮辱したら、メガフラム99発覚悟しておいて。

話を戻すけど、私とアキトは街を出歩いていたの。

スーツ姿のアキトって、見惚れちゃう程、凄くカッコよかった!

だから私、アキトが私の気持ちに気が付いてくれる様に、少し積極的な行動に出てみたの。

アキトの腕に自分の腕を絡めて街を歩いちゃった。

そしたら、羨ましそうに此方を見てくる。名無しの女共の目線と言ったら

もう、優越感に浸れて最高だった〜〜。それなのに、いきなりデートが中断する羽目になっちゃった!

空気の読めない火星の後継者の残党が、私達に何故か逆恨みして襲い掛かってきたの!

恨むなら、星野ルリを恨みなさい!私達は何の関係も無いわ!

おかげで私を庇ったアキトは、残党の銃弾を受けて大怪我。

アキトは大怪我を押して、無理にボソンジャンプしようとしたけど、

また残党共の銃弾を受けて、今度はジャンプイメージが崩れちゃったの

まさに絶体絶命!でも私はアキトから離れなかった。

アキトと一緒なら、どんな所でも構わない。二人の絆は永遠不滅!

そして、ランダムジャンプして、この世界に来てしまったと言う訳よ。

もう分かった?・・・それならもう帰って頂戴。話す事は話したんだから。



・・・もう何よ!、まだ何かあるの? 何々、どうして、私が錬金術士を目指しているのかって?

面白そうだからに決まっているでしょ。リアル魔法少女ラピス・ラズリの誕生よ!

・・・と言うのはウソなんだけどね。ランダムジャンプして、ジャンプアウトした場所は森の中だった。

大怪我したアキトを治療するにも、施設も道具も無い。現在位置すら分からない。

もうアキトはダメかと思った。アキトが死んだら、私もアキトの後を追うと考えた。

そんな絶望的な状況の中、私達にとって救世主が現れた。

30代後半の女性。髪の色は亜麻色だったかな。茶色いフードの様な帽子を被っていた。

その人は、アキトの怪我の応急処置を済ませ、不思議な薬をアキトに飲ませたの。

そしたらビックリ!!アキトの顔色がどんどん良くなっていったの

アキトの出血も止まって。一安心。助けてくれた人は名前も告げずに行ってしまった。

近くの街に、第二の故郷があるとか無いとか言っていたっけ?

後に知る事になるけど、その人は錬金術師だったらしい。今度会ったら、きちんとお礼を言いたいな。

気絶していたアキトが目を覚ました。私は泣きながらアキトに抱きついたの。

アキトは私を落ち着かせるように、私の頭を撫でてくれた。アキトが生きてくれて本当に良かった。

もう少し、アキトに抱きついていたかったけど、アキトがそれを押し留めた。

ランダムジャンプして、ここが何処なのか分からないから、

急いで現状を把握しなければならなかったらしい。私達はとりあえず、近くにあると言う街に行く事にした。

途中で、可愛いスライムもどき(ぷにぷに)が現れた。

最初は可愛いと思って近づいたら、生意気にも私に襲い掛かってきたの。

アキトが咄嗟に私を庇って、ぷにぷにを拳で瞬殺

この変な生命体にはビックリした。そして街に付いてみたらさらにビックリ!

中世のヨーロッパ?とか最初思った。だってボソンジャンプって時間移動だし。

過去に跳んでしまったと考えたんだけど、色々街を調べてみると、

錬金術とかモンスターとか、あと妖精とか、私達の知る過去の世界とは根本的に違う事に気が付いたの

そして私達はある結論に辿り着いた。ここは地球じゃない。異世界だという事に。



とりあえず、私達はこの世界で生きていく事に決めた。

都合がいい事に、私達は何故かこの世界の言葉や文字が理解する事が出来るのよ!

ファンシー世界特有の御都合主義って素敵!これが噂に聞く自動翻訳って奴ね。

でも、この世界の通貨なんて持っていない。つまり一文無し(涙)

ネルガルの用意したブラックカードも、地球の通貨もここでは役に立たない。

つまり今日止まる宿すら確保出来そうに無い。野宿なんてやだよ〜〜

・・・野宿?もっもしかして、こんな事にならないかな!

「ラピス、寒くないかい」

「アキト、寒いよ〜」

夜の寒さに震える私を、アキトが優しく後ろから抱きしめる。

「ラピスが寒くないように、このまま一晩中ラピスを抱いてあげる」

「アキト、暖かいよ〜〜♪」

こんな展開なら野宿も良いかも〜

ぐぅ〜〜、お腹の虫が鳴いた。そう言えば昼食を取っていなかった。

本当なら街のレストランで食事をするはずだったのに・・・。

「ラピス、お腹空いたの」

うっ、アキトに聞かれちゃった。恥ずかしいよ

「うん、でもお金ないよ」

「心配ご無用!」

そう言って、アキトは服の中に隠し持っていた黒いマントを取り出す

「アキト・・そのマントは」

「常に用心を怠らない。月臣やゴートさんが何時も言っていたからね」

そう言ってアキトは、黒いマントの中から高そうな装飾品を幾つか取り出した。

「このマントの中には武器弾薬の他に、換金用の装飾品や医療キットも仕込んであるんだ」

さすがアキト!この黒いマントがどんな仕組みなのかは知らないけど、

ウリバタケ印の(ウ)が在ったのは見なかった事にしよう!



なんにしても、これでお金の目処は出来た。

私達は早速、職人通りの宝石店に行って、装飾品を売却してお金に換えた。ざっと銀貨20000枚!

私達が住む家を探していると言うと、親切な宝石店の店主は、腕のいい不動産屋を紹介してくれた。

家具も一緒に購入すると言う条件付で、格安の一年間銀貨5000枚!家具代は銀貨3000枚

それで、同じ職人通りある空家を借りれると言う。私達は早速その空家を見に行った。

二階建て木造建築、日当たり良し、周囲の騒音、異臭なし、欠陥住宅のアネハ印の物件じゃない。

特に問題は無さそうなので、即!契約に踏み切った!

ちなみに、この世界の宿屋一泊(夕食、朝食込み)が銀貨100枚、

だから銀貨20000枚の価値は、日本円に直すと300万円ぐらいになる。

全てが幸先良く行くと思っていたの。この時までは・・・

・・・一週間後。私達はこの判断を後悔することになった。

隣に引っ越してきた錬金術師見習のマリーお姉ちゃんのせいで。



住む場所の確保も出来た事だし、私達は昼食を取りに近くの酒場へと向かった。

出された料理は肉と野菜料理が中心。魚料理は無い。近くには漁港が無いらしい。

食事を終えた私達は、とりあえず。この王都ザールブルグを観光する事に決めた。

そして一番驚いたのが、王立魔術学校"アカデミー。

このシグザール王国の主要産業は、錬金術と言う魔術の一種らしい。

地球と違って、この世界には魔法技術が存在している。

なんでもマナと呼ばれる、魔法元素が空気中に漂っているらしい。

これが魔法の触媒となって、魔法を発動させる事が出来るらしいの。

だから訓練すれば、アキトも私も魔法が使える可能性がある。

この錬金術と言うのは実に凄い、アキトの大怪我を一瞬で治したのもこれだった。

それに、この錬金術を極める事が出来れば、黄金すら作り出す事が出来るらしいのよ。超ビックリ

正真正銘の魔法の力に、私はときめいた。これなら非力な私にもアキトの手助けが出来ると。

マシンチャイルドの私は、電脳の世界では無敵だけど、この世界に電脳世界なんて存在しない。

つまり、今の私はアキトの役に立てない。

だから少しでもアキトの役に立つ為。この錬金術と言う技術を覚える事にした。

これなら、無茶をして大怪我したアキトを、一瞬で治療する事が出来るし

錬金術を極めれば、黄金を作り出せるらしいから、

お金の心配なく、アキトとの幸せな結婚生活を送れると言う。まさに一石二鳥!

でも、この錬金術を教えてくれると言う、アカデミーって15歳にならないと入学出来ないの。

おまけに入学試験があるのよね。これに合格しないとアカデミーに入学する事が出来ない。

だから、私は一生懸命錬金術の勉強を独学でした!



この世界に来てから一年の月日が流れた。アキトは冒険者兼料理人として、近くの酒場で働いている。

私は毎日、錬金術の勉強と研究を続けていた。そのせいか、私とアキトの家は別名「ラピスの研究所」

と周囲の住民から恐れられていた。・・・どのような経緯で恐れられたのかは、また次の回に

最初の頃は、隣に住んでいる錬金術師見習のマリーお姉ちゃんに、

錬金術を教わりに行った事もあったけ・・・。今では私の方が腕も知識も上の様な気がするけど。

本当はアキトと、一緒に働きたかったんだけど、アキトが許してくれなかった。ラピスは子供だからって、

ラピスのしたい事を一杯しなさいって、言ってくれたの。

だから私は錬金術を一杯勉強して、独学である程度錬金術を使えるようになったの!

攻撃魔法も少し使えることが出来る様になり、これで正真正銘の魔法少女ラピス・ラズリの誕生だね♪

アキトは凄い凄いと頭を撫でてくれた。嬉しいな、もっと頑張ろう!!

(ラピス程々にな・・・)

アキトの心配を他所に、ラピスの研究は止まる事が無かった・・・。



でも錬金術って、材料もお金も時間も結構掛かるのよね。

たまにアキトに頼んで錬金術の素材を取りに、採取地に行くんだけど、直ぐに材料使い果してしまうの。

そこで私は考えた!資金と材料は妖精達に全て任せれば良いと!

妖精達と言うのは、妖精の森からやって来る出稼ぎ労働者の事よ。

見た目は愛くるしい六歳前後の子供に見えるけど。実際はそう言う種族という事。

妖精の腕輪を持っていると、妖精達の雇用が可能になるの。

・・・えっ?妖精の腕輪は何処で手に入れたって?・・・道端で拾った♪

まぁ何にしても、妖精達は色々な仕事をしてくれて便利なの。

錬金術の材料を採取する為に、危険な採取地に行ってくれたり。私の研究のサポートをしてくれたり。

勿論。妖精にも色々あって。腕の良い妖精も居れば落ちこぼれの妖精も居る。

妖精達の能力は妖精が着ている服の色に寄って、妖精達のランク分けがされている。

紺>青>緑>黄>燈>赤>茶>黒。一番腕のいい紺妖精は月額銀貨300枚!と言う激安価格が嬉しい

普通に冒険者を雇って護衛を頼んでも。一度に銀貨150枚前後と結構雇用費が掛かるの。

それなら、妖精達に直接採取地に出向いて貰えば、お金も時間も労力も掛けなくて済む

そう言う意味では、妖精達の賃金の費用効率は実にいい。

だから7人も紺妖精を雇っちゃった。月額銀貨2100枚と雇用費が結構掛かるけど、

お金の心配は無いわ。手はちゃんと打ってある。

・・・えっどんな手品を使ったって?実に簡単よ。間接的に妖精達を使って稼がせたの。



紺妖精一人に。火竜が住むという非常に危険なヴィラント山に行かせて、

コメートの原石を取ってくるように命じる。

後の四人はコメートの原石を元に、原石を研磨して宝石コメートを完成させる。

完成したコメートを市場で売り捌き大儲けと言う。仕組みよ。

このコメートって、材料と手間の割りに結構高く売れるのよ。別名宝石の王様って言われる由縁かしら。

制作期間は大体10日で、一個銀貨900枚で売れるの!

だから全員制作に失敗しなければ、月で銀貨10800枚の大儲け!

でも制作が難しいから、大抵は半分近く失敗するのよ。

だから大体月で、銀貨5000枚程度が平均収入になる。

だから紺妖精達の雇用費銀貨2100枚なんて安い、安い!

残りの紺妖精三人は、私の錬金術の研究のお手伝いとして使っている。

ちなみにアキトはもっと凄い、冒険者としても料理人としても腕も良いから。

交流の幅がとても広い、培ったコネを利用して、地球のお菓子を作って貴族達に提供しているの。

それが貴族達の間で大うけして、月額で銀貨10000枚近く稼いでくるの。

さすが貴族、無駄に豪勢しているわね。・・・でも不安が一つだけあるの。

貴族の顧客の中に明らかにお菓子ではなく、アキトが目宛な子女や御夫人が居るって事。

アキトが飢えた野獣達に襲われないか心配だな。今度魔除けのお守りをアキトに上げよう。

こんな形でアキトと私は、ここザールブルグで幸せに暮らしています。



後書き

ラピスは主役、アキトはサブキャラ!

マリーのアトリエ、クロス物。継続して書くかどうかは未定、あくまで試金石なので、

他にも、ブラックサレナが魔剣になってしまう。テイルズオブデスティニーのクロス物や

サモンナイト4とのクロス物とか、候補に上がったんだけど、自分には無理と思って諦めました。

長編は正直辛い!一話完結なら楽でいいけど。