『あの人は・・・大切な人だから』

そう、アキトさんは私にとって一番大切な人

大好きです。アキトさん・・・今度はユリカさんには負けません。

アキトさんと一緒に居る、オペレーターの少女ラピス・ラズリにも負けません

フリーになったアキトさんは、他の誰にも渡しません!!ルリの物です。

世紀末覇者ルリの誕生です♪。そして・・・必ず天川ルリになってみせます!

私はもう、結婚の出来る大人の女性ですから。(ぽ

・・・そうあれは、アキトさん(ユリカさん)の三回忌の日でした。

あの日、アキトさんと私は運命の再会をしたのです。昼下がりの頃でした。

「奴等はユリカをオトした……」

夏の炎天下なのに、アキトさんは真っ黒で風変わりなカッコのまま、私の前に現れました。

そしてアキトさんから語られた衝撃的な真実。

「え?」

それって、ユリカさんが他の男性に落とされた?うそーー本当ですか?!

やったーーー!!、ばんざいーばんざいー

心の中でガッツポーズを取るルリ。表情はまったく変化していないので、他の人には分からない。

妻のユリカさんが居なくなった以上。完全に私の天下です!絶対勝利です!

夢にまで見た、天川ルリの道が近づきつつあります。今更過去のライバル達は、お呼びでは在りません。

メグミさん、サユリさんは今や、トップアイドルとして所属事務所が交際を認めません。

いざと言う時は、所属事務所に圧力を掛けて交際を封じます。うふふ



リョウコさんは、高杉大尉と言う新しい恋人が出来たので。アキトさん争奪戦から離脱です〜

イネスさんはお亡くなりになりました。さよならアイちゃん。

アキトさんと私の幸せな家庭生活を、天国から見守っていてください。

エリナさんはネルガルの月支部の責任者に出世して、今頃仕事に追われているはずです。

今のネルガルはナデシコ量産計画の失敗に加えて、

クリムゾンのステルンクーゲルに、機動兵器のシェアを奪われて散々な時期です。

業績の悪化、株価の低下、会社の建て直しに財源の確保と、大立ち回りをしているはずですから

恋愛毎に現を抜かしていられ程、暇ではありませんよね。

ふふふ、どう見ても私にアドバンテージがあります。と言うか既に勝負は付きました。

なぜなら、アキトさんが私に会いに来てくれたからです。

つまり、これは浮気したユリカさんに愛想を付かして。

変わりに私と結婚してくれるって事ですよね、アキトさん♪

長年の想いが遂に実ります。兄、妹では無く、男と女の関係に

私の人生はここに来て、大逆転勝利です!ブイ!

「草壁の大攻勢も近い、だから……」

なる程、そう言うことですか、アキトさん。叛乱が本格的になれば、当然市役所の業務に支障が生じる

そうなると、せっかく私とアキトさんの婚姻届を申請しても、受理に時間が掛かってしまう。

本当に役所って嫌ですよね〜。お役所仕事は私も毎回腹が立ちます。

手続きとか申請とか、何かと時間が掛かってしまい。もう少し早く業務を行って欲しいです。



「だから?」

だから、早く婚姻届に判を押してくださいって事ですよね、アキトさん。

勿論いいですよ。なんならこの後時間空いてますから、ホテルに直行しても全然OKですよ

私、初めてなので、・・・アキトさん、優しくしてくださいね♪

・・・あっ、一旦家に帰って良いですか?勝負下着に着替えてきますから〜

それとも、直ぐに私を抱きたいですか?アキトさん

「君に、渡しておきたい物がある」

アキトさんはそう言うと、一枚の紙を取り出しました。

え?その紙は一体・・・婚姻届じゃ・・・ちっ違うんですか?!

一体その紙は何なんですか?!・・そんなの嫌です!

貴方のルリは婚姻届以外受け取りません!

そして、恐る恐るその紙を見てみると、見覚えがある文字と内容・・・

でも、私が今欲しいのはその紙ではありません。婚姻届です



「私、こんな物貰えません!」

テンカワ特製ラーメンのレシピ貰っても、私作れませんので困ります。

それとも、これはアキトさんと結婚した暁には、

私の手料理として、食べさせて欲しいって事ですかアキトさん?

それなら、そうと言って下さい!!

アキトさんの為なら毎日、手料理を作ってあ〜んと口まで運んで上げます。

勿論アキトさんにも私にあ〜んして貰います♪

ああ、私とアキトさんの、素敵な新婚生活がこの先に待っているのですね。

でも、一つだけ心配事があります。それはユリカさんの事です。

浮気したとは言え、その浮気男性にユリカさんが捨てられた場合の事です。

その場合、私達の所に転がり込む可能性が高いのです。

現にユリカさんはナデシコ長屋の時に、自分勝手に家出をして

私達の幸せな二人暮しに乱入して来ました。せっかくアキトさんの幼妻ルリとして生活していたのに!

許せません!あのまま二人暮してたのなら、間違いの一つや二つ発生して

アキトさんは責任を取って、私と結婚する予定だったのに!!

なんにしても、ユリカさんの退路を完全に断つ必要がありますね。

敵は殲滅が基本です。・・・何か手は・・・そうでした!いいアイディアが浮かびました!

これならユリカさんに最後通牒を突きつけられます。私達の幸せな生活が守られます。



「それは、アキトさんがユリカさんを取り戻したときに必要な物(手切れ金)です!」

レシピの内容はコピー機に掛ければ済む事ですし、ユリカさんには毒料理しか作れませんから

レシピを貰ってもテンカワ特性ラーメンを作り出す事は不可能です。

いくら天然のユリカさんと言えども、テンカワ特製ラーメンのレシピを突きつけられれば

聡明なユリカさんの事です。その意味を正しく理解するはず。

そう、ミスマル提督にユリカさんとの婚約を認めさせた、テンカワ特性ラーメン

そのレシピをユリカさんに渡す事で婚約を解消します。と言う隠れたい意味に・・・

もっとも、アキトさんの戸籍は既に失われているので、

法的な意味でのユリカさんとの婚約関係、そんな過去の遺物は既にありませんよ。

ですが、こう言う問題を処理せずに放置して置く事は危険ですね。後の禍根になりそうです。

もっとも、法的な問題を済ませたとしても、ユリカさんが逆切れして、

アキトさんに襲い掛かり、妊娠してしまったとか言う、昼ドラ真っ青な展開は絶対に嫌です!

そんな修羅場は要りません。アキトさんと平穏な結婚生活が送りたいんです。

この問題に関しても、早急に対抗策を講じなければなりませんね。

・・・まぁこの際、この問題は後回しにしましょう。今考えてもどうにもなりませんね。

今はどの様なシミュレーションで、テンカワ特製ラーメンのレシピを、ユリカさんに渡すかです。



「もう、必要ないんだ……」

必要が無いって……それって、ユリカさんとは手切れ金無しで、既に別れ話を付けたって事ですか?

嬉しいですアキトさん!そこまで私だけを思っていてくれて。

貴方のルリは今幸せ一杯です。さぁ早くホテルに行きましょう!

お互いの愛を深くしっぽりと、確かめ合いましょう。アキトさん!

「君の知っているテンカワアキトは死んだ……彼の生きた証、受け取って欲しい」

はい、はい、それは分かりましたから。

変わりに私がアキトさんとの婚姻届を、市役所に提出して置きますから。

アキトさんは何の心配も無く待っていてください。天川ルリの到着を

それで新居はどうしますか?当分はナデシコBの私の部屋で二人暮しもいいですけど

あっ、それともアキトさんの今住んでいる場所に、私が住むと言うもの魅力的ですね。

私はどちらでもいいですよ。アキトさん♪それとも、私に決めて欲しいのですかアキトさん?

「それ、カッコつけてます」

まったく、アキトさんはカッコつけなくても充分カッコいいですから、

そんなキザっぽい事しなくていいんですよ。素の貴方が好きです

そのコスプレイヤー見たいなカッコも、きっとアカツキさんに、無理やり着せられているんですね

アカツキさんはアニメ大好き人間ですから、きっと会長室の秘密扉に

コスプレイヤー用の衣装が沢山あって、嫌がるアキトさんに業務命令として着せたに決まっています!

はっ・・まさか嫌がるアキトさんにエリナさんが権力をかせに無理やり!!

そんなの嫌です!アキトさんの純潔がエリナさんに踏み躙られたなんて

そんな事、神が許してもホシノルリは絶対に認めません!!



「違うんだよ、ルリちゃん」

何が違うって言うんですか!!アキトさんは既にエリナさんの魔の手に、掛かったんじゃないんですか?

エリナさんの手によってアキトさんは、あんな事やこんな事、

あまつさえ、あんなプレイまでされて、相当汚されたんじゃないんですか?

はっ・・・まさか妊娠してしまったとか、いっいえ、それは考え過ぎですね。

この前エリナさんと会った時、彼女は何時も通りでしたし、お腹も大きくなっていませんでしたから。

・・・アキトさん、これ以上言い訳しないで下さい。貴方の心の傷は私が癒してあげますから

「奴等の実験で、頭の中かき回されてね……それからなんだよ」

そんな!エリナさんのHな実験でアキトさんが、こんな目に合っていたなんて、

きっとエリナさんの事以外考えられないように、頭の中をかき回されたんですね。

なんて酷い事をするんでしょう。エリナさんは・・・鬼畜、いや外道です。

きっとエリナさん相手に、バーチャルゲーム付けにされたんですね。可哀相なアキトさん。

そんな洗脳モドキでアキトさんを物にしようとしても。私とアキトさんの愛の力で

アキトさんを完全に洗脳しきる事は出来なかったんです。二人の愛の勝利です。

それでもアキトさんが、長い間苦しんだ事には変わりありません。

ゴメンなさいアキトさん。貴方を守れなかった非力なルリを許してください

でもこれからは何の心配もありません。貴方のルリが、全ての厄災から

貴方を守り抜きますから、だから心配せず私の胸に飛び込んで来てください。

それとも、やっぱり私の小さな胸ではダメなんですか?

ユリカさんやエリナさんの様な大きな胸の人じゃないと・・・



「特に味覚がね、駄目なんだよ……」

エリナさんのキスの味が忘れられないなんて、そんなの酷すぎます。

でも私が精一杯アキトさんを愛する事で、エリナさんを忘れさせて上げます。

ですから全て私に任せて貰えませんか?アキトさんを必ず幸せにしますから、

「感情が高ぶるとボォーッと光るんだ、漫画だろ?」

私も興奮するとナデシコオペレート中に光ります。

特にアキトさんの事を考えると、激しく燃え上がる様に光ります。

これこそ愛のパワァァァァァァァァァァァーーー

そして私は今物凄く、興奮しています。

アキトさんの傷ついた心を。これからホテルで癒してあげられる事に対して

早くホテルに行きましょうアキトさん。何もかも嫌な事は全て忘れさせてあげますから。

「もう、君にラーメンを作ってあげることは出来ない……」

いいんです、アキトさん。私が変わりに毎日手料理を食べさせてあげますから

幸せな家庭を二人慎ましく作りましょう。子供は二人は欲しいですね

とりあえず、これから子作りしにホテルに行きましょうか?それとも

婚姻届を市役所に届けた後ですか?アキトさんはこう言うことに関しては

以外と古風でお堅いですからね。ケジメをきっちり付けてからじゃないと行動に移れない

そんな初心がアキトさんがホシノルリは大好きです・・・。

「あの〜ルリちゃん、俺の話をちゃんと聞いていた?」

アキトは冷や汗をダラダラと流しながら、困ったように

その場でルリちゃんの一連の奇行を見守っていた。

急に嬉しがったり、悲しがったり、泣いたり、何か決意したように、訳がわからない。

これからどうしたらいいものやらと、ミナトさんを仰ぎ見ると目線を逸らされた。

ミナトさん。助けてくださいよ



感想。
なおびさんの作品におけるラピスの先代妄想少女といったところか。
あの墓場での名シーンをここまで変えてしまうとは、流石です。
確かに、あの時のルリの内面は全然把握できませんよね。
それが逆に二次創作をかき立てるというか…いずれにせよ、うまいです。
アキト見捨てるミナトさん…気持ちは大いにわかる。