<



「そういえば、三回忌でしたね」

「ア、アキト・・・君?」

なんで?どうして貴方がそこに居るの?貴方はシャトル事故で死んだのよ、大人しく成仏して?

まさか、これが俗に言う心霊現象?!カメラで撮影したらオーブとか映るのかしら

どうしましょう。数珠やお札持っていないのに、祟られたら怖いわ。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、

「もっと早く気付くべきでした。あの頃、死んだり行方不明になったのは、アキトさんや艦長、

イネスさんだけじゃなかった。ボソンジャンプのA級ランク。目的地を遺跡に伝えることが出来る人、

ナビゲータ。みんな、火星の後継者達に誘拐されていたんですね」

それって本当のルリちゃん。それってじゃあ!!

アキト君、貴方生きているの?・・・あら本当。足もあるしよく見ると幽霊じゃなく人間ね?

でもそれはそれで不味いわね。私的には色々と、アキト君が大切にしていた。ゲキガンガーグッズは全部。

ネットオークションで売ってしまったわよ。主に木蓮の軍人さんに高く売れたわ。

でも、元々アキト君の物じゃなくて、山田さんの物よね?ゲキガンガーグッズって

それにアキト君に掛けられていた生命保険金は、ルリちゃんの養育費に使っちゃったわよ

ほんの少しだけ、私とユキナの衣装代に使っちゃったけど。ほんの少しよ

優しいアキト君なら少しぐらい目を瞑ってくれるでしょ?・・・ダメかしら

・・・・はっ!まさか、アキト君がそのカッコしている訳って



「誘拐?」

そうよ誘拐よ!私を攫って、無理やり如何わしい店で働かせて、借金返済を迫るのよ!

私は教師なのよ!それに死んでしまったけど、今でも白鳥さんの事を愛しているの

だから、夜のお店で体を売るような真似は私には出来ないわ!!

だから、これ以上私達に近づかないで!アキト君は・・・私達を誘拐する気なんでしょ!!

「この2年間余り、アキトさん達に何が起こっていたのか、私は知りたくありません。」

ルリちゃん、現実を見ましょう。貴方ならこの困難を乗り切れるわ。

艦長とアキト君の死を乗り越えた貴方なら、だから変わってしまったアキト君をしっかり見なさい!

アキト君は見るからに、悪い事をしていますってカッコしているのよルリルリ

きっと誘拐とかして、女の子達を無理やり集めた後、如何わしいお店で働かせているんだわ。

そして言う事を聞かない女の子に酷い事して泣かせているに違いない!

この犯罪者!極悪人!鬼畜!人でなし!どれだけ女の子の未来を奪う気なの貴方は!!

「知らない方がいい」

貴方が誘拐した女の子達の末路なんて、ルリルリに教えられるわけ無いでしょ。

それとも、そうやって興味を煽るような事を言って、裏の社会にルリルリを引き込ませる気?

何処まで獣なの貴方は!!人の心を忘れてしまったの?

裏の社会にこの子を引き込ませないで。昔の優しかったアキト君は何処に言ったの?!



「私も知りたくありません。でも・・・どうして・・・

どうして教えてくれなかったんですか?生きてるって・・・」

ルリちゃん。それはきっと借金が怖かったのよ。アキト君沢山借金していたから。

そもそもアキト君の借金と言っても。

ネルガルの業務命令で仕方が無く、エステバリスで戦って壊した物じゃないかしら。

ビックバリア強行突破の時に、副長の乗ってデルティニウムを壊した事にしても。

オモイカネが暴走して、武器管制システムが狂って敵味方関係なく攻撃してしまい。

不幸にも連合軍の燃料集積基地が、アキト君が乗る砲戦フレームの餌食になったけど。

アキト君が壊した物だけ、保険会社から保険金が下りなかったことが、そもそもの原因よね

ネルガルの業務命令で作戦が行なわれてたんだから、その損害は全てネルガルが支払うべきよ。

アキト君なんで裁判しなかったのかしら。どう考えてもアキト君にまったく落ち度は無いわ。

パイロットの保険契約も。ネルガルが会社として保険会社と契約する物だし。

アキト君は上司である、艦長の命令で戦ったわけだから。アキト君に罪は無い。

それなのに、多額の借金を無理やりアキト君に押し付けるから、

アキト君、怖くなって逃げ出したのよ!

自己破産と言う別な方法もあったのに。アキト君は逃げる事を選んでしまった。

死んだ事にすれば借金も帳消しになる。その代わりアキト君は行く当ても無くなり。

失意の中で彼は、裏の社会に足を踏み入れてしまった。

ネルガルがアキト君に借金を押し付けなければ、こんな事に・・・

アキト君が、こんな鬼畜な人に成り果てる事もなかったのに!



「教える必要が無かったから。」

ウソが下手ねアキト君、本当は借金から逃げたかったからでしょ。

だから顔を隠しているのね。顔が割れると借金取りが追いかけて来るから。

でも、そのカッコは借金取りはこないけど、警察が職務質問しに来るわよ

世間の目からも好奇な目線で見られるだろうし。

秋葉原なら逆に写真を沢山取れるわよ。変装するにしても、もっと普通のカッコをした方がいいわ。

「そう・・・ですか」

落ち込まないでルリルリ。私達の知っている心優しいアキト君はもう居ないのよ

彼は裏の社会に足を踏み入れてしまった。そして悪い事を沢山して心まで真っ黒になってしまった。

・・・私やユキナ、ルリルリを如何わしい店で働かせようと企む極悪人。

それが今のアキト君の正体よ。だからこんな人に付いていっては絶対にダメ。

過去に囚われないでルリルリ、アキト君はそれを利用しようとしているのよ!!

私が必ずルリルリを守るから、貴方は隠れていなさい!

それにしても、私だけで無くてルリルリまで手をだそうとするなんて



「アンタ、何てことを言うのよっ!」

今の貴方にルリルリ渡したら、何をするか分かった物じゃないわ!

きっとルリルリも私も夜のお店で無理やり如何わしい事を・・・そんなの嫌よ絶対に嫌!

アキト君、貴方は何の為にルリルリを引き取ったの?こんな事をルリルリにさせる為に引き取ったの?

貴方を信じたナデシコの、皆の思いをどう思っているの?答えなさい!アキト君!

「それでよくあの時、この娘を引き取るなんて言えたわねっ!

謝りなさい、アキト君!謝って!この娘はね、アキト君の事をホントは」

ルリルリは貴方の事を異性として好きだったのよ。

それなのに今の貴方は、ルリルリの純情を踏み躙るような事するなんて!

貴方は本当に私達の知っているアキト君なの?

本当は特殊メイクで別人が変装しているとか、他人とぶつかった拍子に心が入れ替わったとか。

私達は今のアキト君を、私達の知っているアキト君と認めたくないの!!

お願い、答えてよ。貴方は本当にアキト君なの?



「ア、アキト君・・・?」

彼は私に銃口を向けてきた。それが彼の答えなのね。

その銃口で脅して、無理やり私達を如何わしい店に連れて行く気ね。

ゴメンなさいユキナ、貴方の元にはもう帰れそうには無いわ。

でも、貴方に危害が及ばないようにするから、絶対に貴方を守るから。

白鳥さん。ミナトはこれから貴方に顔向け出来ない体にされてしまいます。

こんな汚されてしまう私の事なんて忘れて、どうか、天国で別な女性と一緒になってください。

それと、貴方に託されたユキナを最後まで見守れなくてゴメンなさい・・・

さぁ、アキト君!私を何処になり連れて行きなさい。

でもルリルリとユキナだけは見逃して、私はどうなってもいいから。

「・・・・・・あの〜ミナトさん?何か勘違いしていませんか?」

ミナトさんとの会話がどうにも可笑しい。上手く話が繋がってない気がした。

そして、アキトとミナトの会話を覗き見る北辰衆の面々。

「隊長、あれが噂に聞く修羅場ですか?」

部下の一人、烈風が北辰に訊ねる

「それは我にもワカラン。だが・・・迂闊なり、テンカワ・アキト」

天川アキトよ!汝には女難の相で出ているぞ。・・・それも一生だ。しかも治る見込みが無い



管理人の感想。
いや、大いに笑わせてもらいました。
ギャグセンスありますね。この有名なシーンが一転して…。
しかし、ミナトさんの中ではアキトは性犯罪者レベル。
服装からして、変質者ではありますけどね。
まったく、アキトのあの服は誰が選んだんだろう?