プロローグ:月読泪(ツクヨミ ルイ)


2195年 それは木星からやってきた。




「敵チュ−リップ、まもなく火星圏内にはいります!!」


提督のフクベは意を決した顔をして叫んだ。


総員退避!本艦をぶつける!」


フクベの声が響くと同時に戦艦のブリッジ部分を切り離し、
戦艦の本体はチューリップめがけて進んでいきチュ−リップの側面に激突する。
チューリップはそのまま火星へと落下していった・・・。


時同じくして、火星:ユートピアコロニーシェルター内


「ハイこんなのしかないけど」


そう言いながら栗色の髪をした少女月読泪は7.8歳の女の子にみかんを渡した。


「わぁ、ありがとう。おねぇちゃん。」


少女は本当にうれしそうに目を輝かせながらそう言った。
そうして女の子がみかんを食べているとお母さんらしき人が来てルイに話しかけてきた


「まぁすいません、うちのアイに」


「へぇ〜アイちゃんって言うんですか。可愛いですね。」


と楽しく談笑しているとシェルターの壁がバッタによって破られた。
そうなった時シェルターの皆はすぐに逃げようと出口に向かって行った
それを見ながらルイは隣にあるIFS対応の車に乗り込み


「この車で何とかします!」


と言いつつバッタに向かっていった。バッタはルイのほうにモノアイを向け、突っ込んでくる車を受け止めた


「このーやられなさいよ!」


ルイは車で押し潰すようにイメージしながらアクセルを全開にした。


「おねぇーちゃんがんばれ。」


アイちゃんが一生懸命ルイを応援をしていた。
落ち潰し続けるとバッタのモノアイから光が消え、煙を上げながら破壊されていた


「おねーちゃん凄〜い」


アイちゃんは感嘆の声をあげながらルイに近づいていった
ルイは母親と一緒にいないことを疑問に思ったが地面を見てすべてを悟った。
アイちゃんの母親は頭に瓦礫が落ちてきたのか血を流しすでに死んでしまっていたのだ。
ルイの視線が倒れている母親に向いていることに気づくとアイちゃんは不思議そうに母親の方を見ながら


「ねぇおねーちゃんママ寝ちゃてるんだよ。せっかくおねーちゃんがやっけたのにね。」


ルイはアイちゃんを不憫に思いながら倒れている母親に黙祷をした。
そのときシャッターの作動音とともにシェルターの出口があいた。
人々は扉が開いたことに安堵した。しかし扉が開いたその瞬間人々は絶望の淵に叩き落された
目の前にはバッタの大群が待ち構えていた。
シェルターの人々はバッタの機関銃掃射によって命を落としていった。


「おねーちゃん怖いよ」


ルイは泣いているアイちゃんをあやしながら崩れている瓦礫の裏に隠れた。
そこにはすでにバッタがいた。
ルイはアイちゃんをかばうようにしながら目の前バッタに背を向けた。
ルイは目を思いっきりつぶりかるく震えながら一言つぶやいた。


―死にたくない―と


そしてバッタがルイに向けて機関銃を撃とうとしたその時
ルイが首からさげていたペンダントから光があふれ出した。




そしてもうひとつの歯車は舞台へと向かっていた。運命の舞台へと


人物紹介
月読泪(17)
この作品のヒロイン。いろいろと設定があります。容姿は可愛い感じの顔で書いた通り栗色の髪




あとがき
読んでくださってありがとうございます。オナガです。
ここまで読んでくれたらわかると思いますがこの運命の歯車は再構成です。
話をあまりに脱線させるつもりはありませんが少しどころかだいぶ変わると思われます。
もしかしたら多少扱いの悪いキャラもいるかも知れませんがご了承ください。