聖杯戦争


七騎のサーヴァントと、七人の魔術師による聖杯を奪い合う殺し合い
第四回を迎える今宵、その戦争にサーヴァントとして召還される男がいる
その名は

英霊ハイ・ライト










遠坂凜。彼女が引き当てたのはセイバーでもアーチャーでも無かった――
「あんた誰?」
「開口一番がそれかよ?」

「遠坂凜よ。好きに呼んで。」
「んじゃぁ凜で。うん、この響きはアンタにぴったりだな。」
「な・・・!?」
「契約は成った。誓いは此処に。これより我が身は汝を守る剣となり盾となる事を誓おう。」
「我が名はハイ・ライト。クラッシャーのサーヴァントなり。」
今、この瞬間をもって彼の戦いは始まる――










召還後、初めての戦闘は夜の校舎。サーヴァント・ランサーと対峙――
「もったいないねぇな。消しちまうのかそれ?」
「クラッシャー・・・。あなたの力、ここで見せて頂戴。」
「はぁ・・・。やるっきゃねぇか。」
遠坂凜にとっての聖杯戦争が幕を開けた――
「全く勝てる気はしないが・・・。行くぞランサー!」










衛宮邸へと向かうが、セイバーの襲撃に遭う――
「待て待てセイバー!誤解だ!俺の話を聞け!っていうか聞いて下さい!」
「貴様はサーヴァント、私もサーヴァント。出会ったのならば戦うのが必然!」
「だから俺は戦いに来たんじゃなーーい!!」

「遠坂・・・・・・何がどうなってるのか説明して欲しいんだけど・・・?」
「・・・私が説明して欲しいわよ。」










紆余曲折をえて教会へ。そこで衛宮士郎は聖杯戦争に参加する決意を明確なものとする――
「喜べ少年、君の願いはようやく叶う。」
「正義の味方には、常に相対する悪が必要となる。」
「・・・俺は戦う。でもそれは聖杯を手に入れるためじゃない。こんな馬鹿げた争いを止めさせるためだ。」
「セイバー・・・力を貸してくれるか?」
「無論です。私はシロウの剣となることを誓った。」
騎士は主に剣を掲げ宣言する――










白き小さな主に従う、黒く大きな騎士――
「ねぇ・・・お話は終わり?」
「やっちゃえバーサーカー!」
ギリシャ最高の英雄、ヘラクレスの猛攻――
「何よあれ!単純能力じゃあセイバーより上じゃない!」
最高の騎士セイバーですらバーサーカーを攻めあぐねていた時――
「イリヤちゃん、一つ賭をしよう。」
ハイ・ライトは――
「俺が一度でもバーサーカーを殺せたら今日は見逃してくれないか?」
とんでもない提案を持ちかける――










聖杯戦争終結間近――
「なあ士郎。おまえの理想ってのは一を切り捨てずに、全てを救う『正義の味方』になることか?」
互いに譲れない理想を掲げた者同士の会合――
「俺の理想ってのは突き詰めていくと、『極少数の味方』ってやつになる。」
自身の理想を語るハイ・ライト――
「だけどな士郎。これだけは覚えておけよ?」
「どんな『正義』だろうと、見方が変わると只の『悪』にしか見えない時もあるってことだ。」
かつての自分がそうであったように――










???――
「体はボロボロ・・・。魔力は残りわずか・・・。それでも俺はやらなきゃならない。」
「無理すんなよ士郎。おまえは生きて帰らなきゃならないんだからな。」
「分かってる。此処で死ぬ気は無い。生きてみんなにもう一度会うって約束したからな。」
「その意志があれば上等だ。」
立ちはだかるのは衛宮士郎にとっての怨敵――
「さて、『この世全ての悪』よ。」
圧倒的な悪意――
「俺達『正義の味方』がお前の相手だ。」
それに立ち向かう者――
「「――行くぞ、アンリ・マユ。この世の誰が望もうと、俺達が否定してやる――」」
正義の味方は此処にいる――









『正義の味方』を目指す衛宮士郎――
『極少数の味方』になった英霊――
あり得ない邂逅により紡がれる物語――



Fate/stey Lightning



〜運命の閃光〜